基礎編
住宅照明設計のポイント

  • 同じ空間でも目的や時間帯で必要なあかりは変わります。
  • 複数の照明器具を適所に配置することで、生活シーンに合わせた最適な照明環境を実現。
  • 更には空間の雰囲気を高め、省エネにも貢献する照明計画のポイントをご紹介します。

快適で、しかも省エネ
ポイントは多灯分散照明にあり

  • 1適所適光
    必要なところに、必要なあかりを分散して配置

上手なあかりの配置で、作業に必要な明るさを得ながら空間の雰囲気もアップ。
これまでの一室一灯照明では得られにくかった、上質な住環境づくりに貢献します。

一室一灯照明の場合

全体に均一な明るさが得られますが、空間にメリハリが感じられず、華やかさやくつろぎ感が不足しがちです。

多灯分散照明の場合

手元の明るさをとりながら空間全体も明るく。さらに、ほどよいあかりの分散配置でくつろぎ感が深まります。

理想的な多灯分散配置を実現させる、フォーカル・アンビエント照明

フォーカル・アンビエント照明とは、生活行為に必要な明るさの確保と、空間の雰囲気をつくることの両立を目指した、照明計画を行う際に考慮すべき住宅照明の考え方です。
「フォーカル照明」は、読書や書き物などその視対象に必要な「ファンクショナル照明」と、空間のアクセントをつくる「アイストップ照明」に分けられます。
「アンビエント照明」は、空間全体の雰囲気をつくるための照明で、明るさ感やくつろぎ感を生み出します。
これらをバランス良く組み合わせることで、上質な光環境をつくり出すことが可能です。

フォーカル照明 中心視で見る部分の照明 ファンクショナル照明=明るさを要するテーブル面などに対して アイストップ照明=絵画などの室内装飾を引き立たせる アンビエント照明 周辺視で見る部分の照明(壁、天井など) 壁、天井などを照らして雰囲気を高める

  • 2適時適照
    生活シーンに合わせて、必要なあかりだけを必要な明るさで点灯

適所に配置された照明をシーンに合わせて点灯切替。調光・調色タイプならば、より快適な照明環境を実現します。不要なあかりを消すことで省エネにもつながります。

だんらん

食事

くつろぎ

シアター

気をつけたい分散照明の注意点
照らしたくないものまで照らさないように

エアコンやレンジフード、建具をむやみに照らしてしまうと、空間が美しく見えないので、注意したいポイントです。

エアコンのライトアップ レンジフードのライトアップ 建具のライトアップ

注目の間接照明・建築化照明

建築化照明は、建築物の一部として天井や壁面に照明器具を組み込み、光のグラデーションにより上質な空間を演出する間接照明などの手法です。

  • 1天井⾯や壁⾯を広く照らし、
    空間に⼼地よい明るさ感・広がり感を与える。

間接照明には主に天井を照らす「コープ照明」や、壁面を照らす「コーニス照明」があります。

コーブ照明とは

天井方向に広がり感を与え、空間をやわらかく落ち着いた雰囲気に。
室内全体の明るさ感も高まります。

コーニス照明とは

空間に奥行き感や広がり感を与え、明るさ感を高めます。
壁面のテクスチャーも引き立てます。

  • 2やわらかな光で、まぶしさを感じにくく、⽬に優しい。

間接照明は天井面や壁面でいったん反射した後に広がるやわらかな光が特徴です。

包みこむような寝室のあかり

まぶしさを感じにくい光は寝室にもおすすめ。

  • 3器具の存在感がなく、空間がすっきりする。

建築の中に照明器具を隠して明るさを作る間接照明は、照明器具が直接見えないため、空間全体がすっきりとした印象になります。

照明器具が多いキッチンが・・・

ワークスペースとして明るさの必要なキッチンは、照明器具が多くなりがち・・・

すっきりとした印象に

間接照明を使用することで照明器具を減らし、空間をすっきりとした印象にします。

  • 4間接照明は、狭い空間にもおすすめ

空間を広く見せる効果のある間接照明は、狭い空間にもおすすめの照明手法です。

収納を活用してすっきり、広々とした印象の玄関に

狭いトイレも明るくおしゃれな空間に

間接照明はちょっとしたワークスペースでも大活躍

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