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2018年度LED照明製品試買調査報告

1 はじめに

一般社団法人日本照明工業会は、半導体照明(SSL)の普及加速により「あかり文化の向上と地球環境への貢献」を目指すとして、2014年9月に「照明成長戦略2020(Lighting Vision 2020)」を公表した。その重点課題の1つに「公正で適切な競争のできる健全な市場の再構築」を掲げ、標準化推進、試験所の育成・整備及び市場監視体制の確立を主な施策として進めることにした。そして、市場監視体制確立の具体的な施策として、「LED照明製品の試買調査」を定期的に実施することを決め、2016年度から調査活動を開始した。

2018年度の対象品目は、下記3品目とした。

(1) E17口金付き電球形LEDランプ(一般照明用小形電球40形相当,電球色)
(2) E26口金付き電球形LEDランプ(一般照明用白熱電球60形相当,電球色)
(3) 施設用LEDベース照明器具

それぞれの調査概要について、下記の通り報告する。

2 E17口金付き電球形LEDランプ

2.1 調査サンプルと評価項目

2018年5月現在市場に流通しているものであって、ガラス球形状がPS35で40形の小形一般照明用電球代替を意図していると思われるE17口金付き電球形LEDランプについて14社の製品を選定した。内訳は会員企業製のもの及び非会員企業製のもの各7機種で、サンプル数は、光源色が電球色のものを各1個とした。
評価項目は、性能を中心に以下の項目を選定し、表示以外は、第三者試験機関に委託して試験を実施した。なお、光学特性の評価は、JNLA登録試験機関に委託した。

  • (1)ランプ寸法・質量               
    (2) 電気特性及び光学特性(ちらつき含む)   
    (3) EMC(高調波電流,雑音端子電圧,放射妨害波)
    (4) 絶縁抵抗,耐電圧及び耐電圧限界   
    (5) 表示

2.2 評価結果の概要

今回の調査サンプルは、代替を意図していると思われるガラス球形状PS35の40形小形一般照明用電球に対し、ほぼ代替可能なレベルに達していた。ただ、図2.1(全光束),図2.2(光出力波形),及び図2.3(耐電圧)に示す通り、一部に、光学特性が公表値を大きく下回るものや、安全性も含め代替に値しないものがあることが判明した。

図2.1 全光束

図2.2 光出力波形 出力に欠落部がある波形例 ( L社 )

図2.3 耐電圧限界値

2.3 主な問題点

今回判明した主な問題点と各サンプルの状況は、次の通りである。

  • (1) 全光束の公表値と測定値の乖離(公表値の90%未満の光束値の製品1社)
  • (2) 電気用品安全法のちらつき要求不適合(光出力に5%以下の欠落部がある製品1社)
  • (3) 耐電圧がJIS基準(1.2kVに1分間耐えること)を下回る(1.0kVで絶縁破壊した製品1社)
  • (4) JIS要求の制限事項や注意・警告に関する情報提供不足(個装箱への表示がない製品2社)

表1 今回の調査で判明した主な問題点を有するサンプル(●印で示す)

販売事業者 会員 非会員
A社 B社 C社 D社 E社 F社 G社 H社 I社 J社 K社 L社 M社 N社
問題点 (1)                          
(2)                          
(3)                          
(4)                        

表1に示す通り、問題を有する製品の販売事業者は、2社ともに(一社)日本照明工業会の非会員であり、特にL社の製品には問題が多いことが分かった。市場にはこのような問題を有する製品を扱っている販売事業者が1~2割程度存在することが推察できる。

3 E26口金付き電球形LEDランプ

3.1 調査サンプルと評価項目

2018年5月現在市場に流通しているものであって、ガラス球形状がPS55又はA60で60形の一般照明用電球代替を意図していると思われるE26口金付き電球形LEDランプについて16社の製品を選定した。内訳は会員企業製のものが9機種、及び非会員企業製のものが7機種で、サンプル数は、光源色が電球色のものを各1個とした。
評価項目は、性能を中心に以下の項目を選定し、表示以外は、第三者試験機関に委託して試験を実施した。なお、光学特性の評価は、JNLA登録試験機関に委託した。

  • (1)ランプ寸法・質量               
    (2) 電気特性及び光学特性(ちらつき含む)   
    (3) EMC(高調波電流,雑音端子電圧,放射妨害波)
    (4) 絶縁抵抗,耐電圧及び耐電圧限界   
    (5) 表示

3.2 評価結果の概要

今回の調査サンプルは、代替を意図していると思われるガラス球形状PS55又はA60の60形一般照明用電球に対し、ほぼ代替可能なレベルに達していた。ただ、図3.1(全光束)及び図3.2(光出力波形)に示す通り、一部に、光学特性が公表値を大きく下回るものや、安全性も含め代替に値しないものがあることが判明した。

図3.1 全光束

図3.2 光出力波形 出力に欠落部がある波形例 (N社)

3.3 主な問題点

今回判明した主な問題点と各サンプルの状況は、次の通りである。

  • (1) 全光束の公表値と測定値の乖離(公表値の90%未満の光束値の製品1社)
  • (2) 電気用品安全法のちらつき要求不適合(光出力に5%以下の欠落部がある製品1社)
  • (3) JIS要求の制限事項や注意・警告に関する情報提供不足(個装箱への表示がない製品1社)
  • 上記に関し各サンプルについて整理すると、表2のようになる。

表2 今回の調査で判明した主な問題点を有するサンプル(●印で示す)

販売事業者 会員 非会員
A社 B社 C社 D社 E社 F社 G社 H社 I社 J社 K社 L社 M社 N社 O社 P社
問題点 (1)                              
(2)                              
(3)                              

表2に示す通り、問題を有する製品の販売事業者は、(一社)日本照明工業会の非会員であり、この販売事業者は、前に述べたE17口金付き電球形LEDランプにおいても問題を有する製品を取り扱っている。

4 施設用LEDベース照明器具

4.1 調査サンプルと評価項目

2018年6月現在市場に流通しているものであって、LEDベース照明器具の普及タイプ20社の製品を選定した。内訳は、会員企業製のものが17製品、非会員企業製のものが3製品で、サンプル数は、各製品あたり2台(各試験項目の試料数は1台ずつ)とし、電材卸売店,ネット通販から購入した。共通する仕様は、全光束:6,800 lm程度,直付形,光源と本体が分離できるタイプとした。
評価項目は、性能を中心として以下の項目を選定し、器具寸法・質量及び表示を除き、第三者試験機関に委託して試験を実施した。なお、光学特性の評価は、JNLA登録試験機関に委託した。

  • (1)器具寸法・質量               
    (2) 電気特性及び光学特性(ちらつき含む)  
    (3) EMC(高調波電流,雑音端子電圧)
    (4) 絶縁抵抗,耐電圧及び保護導体電流 
    (5) 表示

4.2 評価結果の概要

電気・光学特性の面においては、3製品を除き、全光束・固有エネルギー消費効率のJISの基準を満た していた。図4.1に全光束の公表値に対する比率,図4.2に固有エネルギー消費効率の公表値に対する比率を示す。EMCにおいては、2製品を除き電気用品安全法の雑音端子電圧許容値を満足していた。図4.3に雑音端子電圧の許容値に対するマージンを示す。

安全性の面においては、全製品が絶縁抵抗・耐電圧・保護導体電流ともにJISの基準を満足しており問 題はなかった。青色光による網膜傷害においては、全製品がリスクグループRG0「何らの光生物学的傷害も起こさないもの」に分類された。

表示の面においては、問題のあるものが4製品あった。その内、電気用品安全法に関する表示で問題が あるものが1製品あった。

  • (1) 定格消費電力の表示なし(R社)
  • (2) 製造年又はその略号の表示なし(R,T社)
  • (3) 基本性能(定格入力電流)の表示なし(Q,R,S社)

図4.1 全光束の公表値に対する比率

図4.2 固有エネルギー消費効率の公表値に対する比率

図4.3 雑音端子電圧の許容値に対するマージン

4.3 主な問題点

今回判明した主な問題点と各サンプルの状況は、次の通りである。

  • (1) 全光束の公表値に対する実力値の乖離(公表値の90 %を下回る製品:3社)
  • (2) 雑音端子電圧の電気用品安全法への不適合(不適合の製品:2社)
  • (3) 電気用品安全法の要求の表示に関する不適合(不適合製品:1社)

表3 今回の調査で判明した主な問題点を有するサンプル(●印で示す)

販売事業者 会員 非会員
A社 B社 C社 D社 E社 F社 G社 H社 I社 J社 K社 L社 M社 N社 O社 P社 Q社 R社 S社 T社
問題点 (1)                                  
(2)                                    
(3)                                      

3 まとめ

今回の電球形LEDランプの試買調査では、過去に行った調査に比べて全体的に製品のレベルが向上し、従来光源に代替できる十分な機能を有していると考えられる。しかしながら、非会員の製品において、全光束の公表値対する実力値の乖離や、電気用品安全法のちらつきの要求事項の不適合などの問題が存在することが判明した。

また、 LED照明器具の試買調査では、既に市場で施設用のベース照明器具として広く流通しているものを調査対象とした。電気,光学特性においては公表値から乖離して初期特性を満足していないものが複数製品あったが、ほとんどの製品がJISの基準を満たしていることが分かった。ただし、電気用品安全法の雑音端子電圧,表示の不適合の製品が存在することが判明した。今回、問題点があった会員企業に対しては問題点の情報提供と是正を依頼し、フォローアップを行った。

今後、これらのLED照明製品の公正で適切な競争ができる健全な市場を構築し、一層の普及促進を図るためには、業界として、今後とも市場監視を強化して、電気用品安全法への不適合等の問題製品の是正に努めることが肝要である。