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2019年度LED照明製品試買調査報告

1 はじめに

一般社団法人日本照明工業会は、半導体照明(SSL)の普及加速により「あかり文化の向上と地球環境への貢献」を目指すとして、2014年9月に「照明成長戦略2020(Lighting Vision 2020)」を公表した。その重点課題の1つに「公正で適切な競争のできる健全な市場の再構築」を掲げ、標準化推進、試験所の育成・整備及び市場監視体制の確立を主な施策として進めることにした。そして、市場監視体制確立の具体的な施策として、「LED照明製品の試買調査」を定期的に実施することをJLMAの内規として規定し、2016年度から調査活動を開始した。2019年度も「照明成長戦略 2030(Lighting Vision 2030)」の中で継続して市場監視体制の強化を掲げ、試買調査を実施した。

2019年度の対象品目は、下記2品目とした。

(1) E11口金付き電球形LEDランプ(ラインボルト反射鏡付きハロゲン電球代替、中角配光相当品)
(2) 非住宅用LEDダウンライト

それぞれの調査概要について、下記の通り報告する。

2 E11口金付き電球形LEDランプ

2.1 調査サンプルと評価項目

2019年3~4月現在市場に流通しているものであって、「一般照明用片口金ハロゲン電球(φ50商用電圧反射形)のビームの開き20 ° 相当品」の代替を意図していると思われるE11口金付き電球形LEDランプについて14社の製品を選定した。内訳は(一社)日本照明工業会会員企業製のもの10製品及び非会員企業製のもの4製品で、サンプル数は、光源色が電球色のものを各1個とした。
評価項目は、性能を中心に以下の項目を選定し、表示以外は、第三者試験機関に委託して試験を実施した。なお、光学特性の評価は、内規に基づきJNLA登録試験機関(工業会指定試験所)に委託した。

  • (1)ランプ寸法・質量               
    (2) 電気特性及び光学特性(ちらつき含む)   
    (3) EMC(高調波電流,雑音端子電圧,放射妨害波)
    (4) 絶縁抵抗,耐電圧及び耐電圧限界   
    (5) 表示

2.2 評価結果の概要

今回の調査サンプルは、代替を意図していると思われる「一般照明用片口金ハロゲン電球(φ50商用電圧反射形)のビームの開き20°相当品」に対し、性能面ではほぼ代替可能なレベルに達していた。ただし、図2.1(雑音端子電圧)、及び図2.2(高調波電流)、に示す通り、雑音端子電圧が法規を満たさないものや高調波電流が適切でないと思われるものが市場に存在し、安全面では代替に値しないものがあることが判明した。

図2.1 雑音端子電圧の許容値に対するマージン

図2.2 基本波入力電流に対する第3次及び第5次高調波電流の百分率

2.3 主な問題点

今回判明した主な問題点と各サンプルの状況は次の通りである。

  • (1) 雑音端子電圧における、電気用品安全法の不適合(不適合製品1社)
  • (2) JIS要求の制限事項や注意・警告に関する情報提供不足(個装箱への表示がない製品4社)
  • (3) 高調波電流のJIS要求に対する不適合(不適合製品1社)

表1 今回の調査で判明した主な問題点を有するサンプル(●印で示す)

販売事業者 会員 非会員
A社 B社 C社 D社 E社 F社 G社 H社 I社 J社 K社 L社 M社 N社
問題点 (1)                          
(2)                    
(3)                          

3 非住宅LEDダウンライト

3.1 調査サンプルと評価項目

2019年6月現在市場に流通しているものであって、LEDダウンライトの普及タイプ18社の製品を選定した。内訳は、会員企業製のものが16製品、非会員企業製のものが2製品で、サンプル数は、各製品あたり2台(各試験項目の試料数は1台ずつ)とし、電材卸売店、ネット通販から購入した。共通する仕様は、全光束:2,900 ℓm程度、非住宅用、M形埋込み形照明器具とした。

評価項目は、性能を中心として以下の項目を選定し、器具寸法・質量及び表示を除き、第三者試験機関に委託して試験を実施した。なお、光学特性の評価は、JNLA登録試験機関に委託した。

  • (1) 器具寸法・質量
  • (2) 電気特性及び光学特性(ちらつき含む)
  • (3) EMC(高調波電流,雑音端子電圧,放射妨害波)
  • (4) 絶縁抵抗,耐電圧及び耐電圧限界
  • (5) 表示

3.2 評価結果の概要

電気・光学特性の面においては、全製品、全光束・固有エネルギー消費効率のJISの基準を満たしていた。図3.1に全光束の公表値に対する比率、図3.2に固有エネルギー消費効率の公表値に対する比率を示す。EMCにおいては、全製品、電気用品安全法の雑音端子電圧許容値を満足していた。図3.3に雑音端子電圧の許容値に対するマージンを示す。

安全性の面においては、全製品が絶縁抵抗・耐電圧・保護導体電流ともにJISの基準を満足しており、問題はなかった。青色光による網膜傷害においては、全製品がリスクグループRG0「何らの光生物学的傷害も起こさないもの」に分類された。

表示の面においては、電気用品安全法に関する表示で問題があるものが1製品あった。

  • (1) 届出事業者名称の表示なし(R社)
  • (2) 定格周波数の表示なし(R社)
  • (3) 保護設置端子の表示なし(R社)

図3.1 全光束の公表値に対する比率

図3.2 固有エネルギー消費効率の公表値に対する比率

図3.2 雑音端子電圧の許容値に対するマージン

3.3 主な問題点

今回判明した主な問題点とサンプルの状況は次のとおりである。

  • (1) 電気用品安全法の要求の表示に関する不適合(不適合製品:1社)

表2 今回の調査で判明した主な問題点を有するサンプル(●印で示す)

販売事業者 会員 非会員
A社 B社 C社 D社 E社 F社 G社 H社 I社 J社 K社 L社 M社 N社 O社 P社 Q社 R社
問題点 (1)                                  

4 まとめ

今回の電球形LEDランプの試買調査では、技術的に代替困難と思われた一般照明用片口金ハロゲン電球の代替を意図していると思われる製品について試買調査を行い、性能面で代替できるレベルの電球形LED ランプが製品化されていることが確認できた。一部に雑音端子電圧が法規を満たさないものや高調波電流が適切でないと思われるものが存在することが判明した。

また、LED照明器具の試買調査では、既に市場で非住宅用のダウンライトとして広く流通しているものを調査対象とした。電気、光学特性、EMC、安全性においては全製品が規格を満足していた。ただし、電気用品安全法の表示の不適合の製品が存在することが判明した。

市場に問題ある製品がまだ存在することから、今後、これらのLED照明製品の公正で適切な競争ができる健全な市場を構築して一層の普及促進を図るためには、業界として、今後とも市場監視を強化して、電気用品安全法への不適合等の問題製品の是正に努めることが肝要である。